サンレーグループで推進する企画開発事業です。国内はもとより、海外に向けても、多岐に取り組んでいます。

ムーン・ガーデン・プロジェクト

ムーン・ハートピア
プロジェクト
サンレーグループで推進する企画開発事業です。国内はもとより、海外に向けても、多岐に取り組んでいます。
ムーン・ガーデン・プロジェクト
ムーン・ハートピア
プロジェクト
2007年12月25日のクリスマス、史上初の総合葬祭会館で
ある小倉紫雲閣がリニューアル・オープンしました。
その隣接地に完成したのが、「月の広場」です。
太陽が神の生命のシンボルなら、人間の生命のシンボルは月です。
日ごと満ちては欠ける月は、生まれて老いて死ぬ、そしてまた再生する人の生命そのものなのです。
「月の広場」の設計は、北九州を代表する建築家である白川直行氏にお願いしました。
中央にある噴水(ムーン・プール)は、実際の月の満ち欠けによって可変するという、世界初の噴水です。
その周囲には四季折々に花が咲く木々を植え、「死」と「再生」をコンセプトにした庭園をつくりました。
そこでは、「月への送魂」も行うことができますし、噴水の周りのロータリーを霊柩車がゆっくり通ります。
それを輪になった参列者が見送ることによって、かつての「野辺の送り」のような「残心」のある出棺が可能になりました。
春は、桜の花びらが散ってゆく中を故人が見送られていきます。
夜には、月に向かってレーザー(霊座)の一条の光が放たれます。
そして、ひとつひとつの「死」が実は宇宙的な出来事であることを示すのです。
©一条真也
月は、世界中の民族の神話および宗教において、人間が死後おもむく世界とされました。ムーン・ハートピア・プロジェクトは、霊界のシンボルである月に地球人類の墓標としての「月面聖塔」を建立し、地上から故人の霊魂をレーザーの光に乗せて月に送る「月への送魂」の儀式を行なうプロジェクトです。「月への送魂」は2004年2月、北九州市のサンレーグランドホテルのオープン・イベントとして実行され、その後も何度か同所において行なわれています。「月面聖塔」は2020年の実現をめざしていますが、その巨大模型がサンレーグランドホテルのロビーに展示されています。将来的には、故人の分骨やデータを積んだロケットを発射して「月面聖塔」に納める予定です。
月に墓がつくられれば、地球上での墓地不足も解消できますし、世界中どこの夜空にも月は浮かびますから、それに向かって合掌すれば、あらゆる場所で死者の供養をすることができます。また、埋葬によって死後の世界に対するネガティブな「地下へのまなざし」を持ってしまった生者にポジティブな「天上へのまなざし」を与えることにもなるでしょう。月を霊界に見立てることによって、死後の霊魂が天上界に還っていくと自然に思い、理想的な死のイメージ・トレーニングを無理なく行なえるはずです。
月に墓をつくれば、当然、地球上での葬送儀礼の内容も変わってきます。葬儀とは、死者の霊魂が故郷である宇宙に還るのを送り出す「送儀」ということになります。お経が唱えられると、棺の上に死者の生前の姿がホログラフィー(立体映像)で浮かび上がります。死者のホログラフィーは、にっこりと微笑んでいて、参列者にさわやかで幸福な印象を与えます。それからホログラフィーは光の粒子になってレーザーのプロジェクターに吸い込まれ、今度はプロジェクターから夜空に浮かぶ月に向かってレーザーが飛ばされます。これで死者は月へと還っていったのです。
壮大な夜のスペクタクル・セレモニーですが、これは決して思いつきでも奇をてらっているのでもありません。一つひとつの葬儀が実は宇宙的な出来事なのだということを人々に実感させ、コスモロジカルでエコロジカルな死生観を与えるために必要な演出なのです。
©一条真也